一日中、冷たい雨が降り注いだ春分の日、本住寺では『春のお彼岸』の法要を営み、檀家中各家のご先祖様のご供養のお経をあげさせていただきました。
また併せて、個別に卒塔婆供養のお申し込みがあった方々のご供養もさせていただきました。
足元がお悪い中にもかかわらず、ご参詣くださいました皆さま、本当がありがとうございました。
法要に先立ち、お参りに来られた檀家さんより、ミモザの花もいただきました!
たっぷりと咲いた明るい黄色の花は、見ているだけで心が明るくなりますね。
早速、玄関に飾らせていただきました。
さて。
彼岸とは、春分・秋分の日を真ん中に前後各3日、迷いの世界=此岸(しがん)から、悟りの世界=彼岸(ひがん)へ渡るべく、六波羅蜜(ろくはらみつ)の修行を実践する期間のことです。
六波羅蜜とは、【布施(ふせ)・持戒(じかい)・忍辱(にんにく)・精進(しょうじん)・禅定(ぜんじょう)・智慧(ちえ)】の6つのことで、簡単に言いますと【施す・つつしむ・我慢する・はげむ・心をしずめる・智慧をみがく】ことになります。
中日にご先祖様を供養し、六波羅蜜を修行するお彼岸は、今、生きている私達が感謝の気持ちで生きていく為の期間なのだと思います。
今を生きるということは、生きている自分たちさえよければそれでいい、ということではありません。
私達は、一人きりで生まれ、一人きりで生きているわけではありません。
大切な命を繋いでくださったご先祖様に感謝すると共に、家族や友人など様々なご縁を大切に、お互いを思いやり、互いに感謝しあいながら、今この瞬間を精一杯生きることが大切なのです。
お彼岸は、六波羅蜜修行を通して、今を生きる大切さと、生かされていることへの感謝の気持ちを改めて確認するための期間なのです。
長い人生、苦しいことや辛いことも沢山あることでしょう。
しかし、苦しさや悲しさから俯いて、目を閉じ、耳を塞いで、自分だけの世界に閉じ籠ってしまわずに、ゆっくりと深呼吸をし、顔をあげて周囲を見回してみてください。
自分が愛に溢れた優しい世界で生きていると気がついた時、心に感謝が溢れてくることでしょう。
お彼岸を機会に、周囲の人達に感謝の気持ちを伝えてみるのは、いかがでしょうか?